以前、友人と話していたときに、友人がある人のことを「あの人は苦手」と言いました。うん、自分も。そして、ちょっと後ろめたく感じながら、付け加えました。あの人、あまり好きじゃないんだ…。すると、友人は笑って「当たり前じゃん。苦手な人ってのは、嫌いな人のことでしょ」。うーん。そうとも限らないけどな。
嫌いな人とは付き合えないけど、苦手なだけなら、距離を置けば付き合えます。自分が苦手に感じる相手は、たいていは相手も自分のことを苦手に思うもので、お互い自然に距離を置くので、まあまあうまく付き合えます。しかし、たまに自分は苦手に感じる相手からあからさまに好意を示され、近寄って来られることがあって当惑します。
その好意はとてもありがたいんですけどね。苦手な人というのは、自分が悲しくなったり、お腹が痛くなったりするようなことを、言ったりしたりするの。だから、苦手なのです。でも、相手に悪気はまったくないんですよね。そこはわかるし、いい人なのもわかるから、嫌いにはなれません。なれないけど、ストレスは受け続けるわけです。相手に悪気がないとわかっているのだから、気にしなければ良いと自分でも思うのだけど、どうしてもストレスを受けてしまいます。それを我慢して我慢し続けていると、ある日限界を超えてしまい、もうなりふり構わず逃げ出さずにはいられなくなります。
プリは「(根本的に合わない相手は)ときにはスパッと切り捨てることも大事だよ」と言います。だけど、自分に嫌な思いをさせたと知るたびに「ごめんなさい」と心から謝ってくれるような人を、切り捨てたりしたくないじゃない。したくなくても、最後逃げ出したら、切り捨ててるのと一緒なんだけどね。
そんな風にリネージュの中で逃げ出して来た人のことを、今でもときどき思い出します。きっと、悲しい思いをさせちゃったんだろうなぁ。最後に「ごめんなさい」と言ってくれたとき、本当は「もういいですよ」と言ってあげたかった。けど、もしそう言ってしまったら、その人はまた何度でも同じように自分にストレスがかかる言動を繰り返すだろうと思うと、言えませんでした。かわいそうなことをしたなぁ。もっと何とかしようがなかったのかしら、と悲しく思い出します。