席を譲らなかった人

まったくリネージュと関係ありませんが、「席を譲らなかった若者」という個人のブログ記事を読みました。少し前からあちこちで話題になっているようなので、読んだ方も多いかもしれません。いろいろ考えさせられる文章でした。自分はほいほい席を譲る方ですが、あのシチュエーションだと、もしかしたら意地でも譲らないかもなー。

話題になっただけあってコメントの量がものすごいのですが、その中に重い心臓病を持った人のコメントがあり、それを読んだら自分にも似たような体験があったのを思い出しました。

これまで、両手の指だけでは数えきれないくらい病院にお泊まりに行ってますが、切った貼ったも何度か経験してまして、そのうち1回は背中を切る手術でした。退院後は数日家で休んで仕事に復帰しましたが、電車通勤なので、混雑時にまだ抜糸前の傷口の上から人に押されるかもしれないというのは、ものすごい恐怖です。なのに見た目は他の人と変わらないので、気を遣ってもらえる可能性は皆無。お腹と違って、背中だと自分ではかばいようがありません。考えた末、会社とは逆方向の隣の始発駅まで行って、座って行くことにしました。座ってれば、背中の傷口の上を他人にどつかれる心配はありませんから。

隣から押されても痛いため隅の席に座りたかったので、あまり悩むことなくシルバーシートに座りました。ところが、出発間際になって松葉杖を付いた若いのが乗ってきました。ギプスをしていましたから、たぶん骨折なのでしょう。始発駅ですから待てば確実に座れるのに飛び乗ってきたということは、骨折程度じゃ座る必要もないからなのだろうと思っていたら、やがて聞こえよがしにうめき始めました。満員電車で片足で踏ん張るのはつらかったのかもしれません。でも、自分で選んだことじゃん…。

それでも、自分が健康な状態だったら席を譲っていたかもしれません。ただし「1本遅いのに乗れば座れますよ」と教えてあげた上で。しかし、こっちも下手にどつき回されると傷口開いちゃいそうで、とても譲れません。シルバーシートに座っていた3人中最も若そうだった自分に狙いを定めたのか、彼は自分の方を見ながら大声で「席譲ってもらえませんか」と言いました。いや。無理だし。

自分が立たなかったので、隣の人が立って彼を座らせました。彼はどかっと乱暴に座りましたが、その際松葉杖とデイパックにどつかれ…。いっでーーー。痛ーい。痛いよう…(しばし反芻)。すみません、手術して先週退院したばかりで傷口痛いので、できればなるべくこちらに体重かけないようにしてもらえませんか。彼は気まずそうな顔になり、自分と目を合わせないまま、自分より先の駅で降りて行きました。

うーむ。骨折が気の毒じゃないとは思わないけど。あの図々しさはいったい何だろう。わがままを通すために、弱者という立場を最大限アピールしてるのかなぁ。自分だったら、そんなかっこ悪いことするの絶対に嫌だけどな。痩せ我慢の美学ってものを、知らんのか。もっとも、痩せ我慢しすぎてボロが出ちゃったときには、ダサくて泣けますけどね。

2 thoughts on “席を譲らなかった人

  1. 感慨深い出来事ですね。お互いが相手を思いやれば決して起こらない出来事ですよね。席を譲るほうも譲れれるほうもお互い相手を思いやるという「あたりまえ」 いつからなくなってしまったんでしょうね;;

  2. 「自分の都合を主張する」のを「意見を言う」ことだと勘違いしてる人が増えてるのかなぁ、という気がします。自分の立場でしかモノが考えられない、視野の狭い人と言うか。って、つまりそれが思いやりが足りないってことなんでしょうけども。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

*